(産地の声)vol.1670 一老農のつぶやき 2024.10.23
国政選挙運動の真っ最中なのだが、各党の主張を聞いて見ても気乗りしないのは何故だろう。変わってほしいとは思うけれど、どの政党も信がおけない気がするのは、こちらの方がおかしいのか。
資金集めにパーティー券を売り上げ自分のものにし、決められた記載をしてなかったと言うけれど、お金の問題が問題なんだろうか。
こちらから見ると、不正と言うより、やっぱり政治家は国民を見て政治をするのではなく、お金を出してくれた方ばかり顔を向けて来たんだろうな、と思える。
それを批判する他の党も、批判ばかりが目立ち、疲弊したこの国を復興させるだけの器量があるようには思えない。
自給を1500円に!などという候補も結構いるが、大企業はともかく農家のような零細経営では、赤字がでて廃業となってしまうだろう。どんな計算をしてそんな数字が出てくるのか教えてほしい。農家に限らず小企業にとっても耳にする限り似たような状態のようなのに。実態を知らなさすぎるように思えるのだが、如何か。
国全体を見ると、ここ10数年で大企業のいわば余剰金が200兆円から600兆円となっている。いわば大が小を飲み込んで来たのではないか。かって首相は何とか経済学者の言う企業が利益を上げればそれが社会に回り回って豊かになると言ってたが、そうではなかった。
また、法人税と所得税の引き下げと相まって間接税を引き上げたが、その時、話題になったことは、「何だよ利益の上がるところは税金を下げて、広く薄く貧しきものも富めるものも関係なく税を取ろうとするのかよ」という話になった。
今の地方は閑古鳥が鳴き、シャッター街が増えている。田や畑も耕作者が離農し、雑草がはびこり荒野化し始めている。そうした現実を何とも思わないのかなあと思う。
日本を守るという勇ましい政治家もいるが、何を守ろうというのか。少なくとも、それぞれの地で懸命に生き歴史を刻んできた人々=地方が、特別でなくともいい。その地でこれまでと同じように暮らせること。親から子へ、子から孫へと歴史がつながるような施策がほしいと願う。
自然の恵みあっての私たち人間の存在がある。その逆はない。生存基盤言論という講座があったが、生存基盤は大自然だ。大事にしようよ。
おかげさま農場・高柳功