菜っ葉、三浦大根などの話

(産地の声)vol.1676 一老農のつぶやき           2024.12.4    冬到来のよう。当地の様子は、霜降りが続き、田んぼや畦など青かった稲株や雑草がすっかり枯れ上がり、緑から茶の景色へと変化し始めた。

 一方、霜が降ると野菜達が美味しくなる。ほうれん草や小松菜そして春菊、ネギなど寒さに遭って、ぎゅっとしまり栄養が濃縮する。

 

 我が家はほうれん草や小松菜よりも菜っ葉(通称)の家だった。そんな話を取引関係の人に言ったら、「菜っ葉ってなんですか?」と聞かれたが、「ほうれん草でも小松菜でもなく菜っ葉だよ」と答えたのだが、実は自分も分かっていなかった。母親に菜っ葉だと言い聞かされていた。

 ずっと続く我が家の中で、菜っ葉と言ってたので菜っ葉だよ、というしかなかったのだが、たぶん菜の花の咲く類いの種類だと思う。毎年菜種を作付けしているが、跡地には種がこぼれて菜っ葉が一斉に芽を出している。とても食べきれない。

 もし読者の中で時間のとれる人はおいでください。差し上げます。大分大きく育ってしまってはいるけれど、この霜続きの寒さで美味しくなってるよ!

 一方、作付けした三浦大根は、害虫の芯喰い虫に食われ、8割り方出荷不能の状態になってしまった。1割くらいしか販売に回せないかも知れない。大被害なのだ。

 我が家と縁者の皆さんの味噌つくりに欠かせない大豆も、連日の霜ですっかり枯れ上がった。大豆は畑の肉と言われるように、貴重なタンパク源の食べ物。なので食と命の教室の皆さんに体験で一部刈り取ってもらい、残りを家族3人で刈り終えた。

 強風や雨などで倒伏してしまった株もあったが、まあまあの出来のようだ。実際のところは脱穀してみないと分からない。味噌だけでなく煮豆にしたりして食す。我が家の伝統的食材なのだ。

 最近は皆作らなくなったが、できる物は作る。買った方が安いと人は言うけれど自分でできる物は自分で作ろう、というのが我が家の伝統でもある。自家用には、サツマイモや里芋も作るが販売用ではない。

 菜種油も自給、小麦粉も自給しているが、販売となるとそこまで手が回らないのが実情だ。そして世間相場ではとても採算の合う仕事でなくなるからだが、そんなこの国の実情もおかしいのではないか、などと思うのだがどうだろう。

 来週からは本格的な冬になる予報だが、旬の野菜を温野菜にしてしっかり食べ、寒さをと乗り切りましょう。                         おかげさま農場・高柳功